消防団の戦後史
国民の財産!消防団―世界に類を見ない地域防災組織 (近代消防新書)
- 作者: 後藤一蔵
- 出版社/メーカー: 近代消防社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
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『消防団の源流をたどる』は、戦前までの消防団の動きを概観したが、『国民の財産!消防団』では戦後の消防団の歩みを概観する。
終戦からしばらくの間は、消防団員は200万人もいたが、現在では100万人を下回っており、高齢化も進んでいる。
問題と言えばたしかに問題ではあるし、後藤さんも、「消防団の衰退を食い止め、増強すべし」と主張するのだが、もし、現代の日本に消防団が存在せず、新たに消防団制度を発足させようとしたとき、消防団制度は可能なのだろうか?
後藤さんは、この本の中で、「消防団員になるかどうかは、本人の自由」と書きながら、多くの消防団では「入団者を確保できなければ退団できない」という申し合わせをしているとも書いている。
入団は自由と言っても退団は自由じゃなくて、一度入団したら、自分の都合でやめるのは非常に難しいと言うことだが、普通の感覚なら、退団が自由じゃない団体や組織には気軽に入団はできないだろう。
どうして消防団員は自分の意志だけで辞められないのか?
そんな理不尽な運営がまかり通っているのが、現在の消防団なのだ*1。
しかし、消防団をテーマに言論活動をしている人が後藤一蔵さんぐらいしかいないのはなんとも寂しい・・・*2。社会学者は腐るほどいるっていうのに・・・。