質量保存の法則

asahi.com(朝日新聞社):化石燃料使わず、生ごみを3千分の1に 処理装置開発 - 社会

化石燃料を使わずに、生ごみの減量処理ができる装置を、岐阜県の石材加工会社と愛知県のごみ処理機製作会社が共同開発し、今月から事業所向けに販売を始めた。ごみを3千分の1の量の灰にすることもできるといい、国内外から問い合わせが相次いでいる。

化石燃料を使わないと言うが、実際には、間接的に石油を使っている。
ま、それはおいておいて、この手の話で注意しないといけないのは、手元に残った物ではなくて、消えた物の行方なのである。

つまり、3千分の2千九百九十九の方。

強力なバーナーを使って燃やしても、リンや塩類などの無機成分は残存するのであるが、3千分の1しか残らないと言うことは、本来、ガス化することのない、それらの無機成分も大気中に移動しているということである。

これはおかしい。
どこかにトリックがある。

おそらくは、処理装置内部で、ごく微細なススのような粒子になって、大気中に拡散していると思われる。

もし、排ガスの分析で、リンなどの無機成分が検出されないとするなら、集塵装置・脱臭装置に滞留しているはずである。


ということで、この処理装置は、かなり怪しい物件と思う。


もう一点。
ほとんどのリンが化石資源であって、現在、リンの枯渇が心配されており、近い将来、リン肥料が高騰して食料生産が相当なダメージを受けるだろうという危機感がある。
持続可能な食料生産の観点から、このような「灰が減ればOK」という考え方は感心できない。

リン資源の回収、有効利用という観点から、低コストで持続可能な生ゴミの処理法を開発して欲しい。