昆虫写真家の挑戦

昆虫写真家栗林慧さんの昆虫写真家人生のメモ。

栗林さんが写真を始めた頃は、蟻などの微少な生物を撮影できる機材はなく、写真家が、自分でレンズや撮影システムを工夫したり新しく開発したりして、昆虫写真の世界を切り開いてきた。
栗林さんは、工作が得意で、光センサーなどを駆使して自動撮影システムや超高速ストロボの開発もしている。
その自動撮影システムと超高速ストロボで撮影した『The MOMENT―自然の瞬間』は、発見と驚きに満ちた素晴らしい写真ばかりで、ミツバチの飛行の様子などはとくに素晴らしい。

 
蟻の巣を観察するために、パワーショベルを使って4mの穴を掘ったというのもすごい。というか、蟻ん子があの小さい体で、4mの穴を掘るというのだから、驚きである。

ヤンバルギンモンカの生態が面白い。
なんと、竹の節の中で育つのだ!
本来ならカなどが入り込める穴などが開いていない竹の中にどうやって卵を産むのか?
竹に穴を開ける昆虫がいるらしく、その昆虫の開けた穴を利用するというのだが、その穴は、ヤンバルギンモンカの体よりも小さい。
では、どうやって、竹の中に卵を産むのかというと、卵だけを外から放り込むらしい。
で、竹の中で孵化して竹の中で成長するのだが、さて、サナギから羽化して成虫になったヤンバルギンモンカは、どうやって竹の外に出るのだろうか?
残念ながら、栗林さんは、どうやって竹の外に出るのかを書いてない。読者が自分で考えろってことらしい。
まるで、コーラ瓶と矢みたいだ。

あと、ゲンジボタルの生態解明の話とか、虫の目レンズ・蟻の目レンズの開発記とか。