足りる?足りない?

発電所

ときどき作動不良なんかで原発が1基とか2基とか停まっているが、あれが停まったからといって、どこかの地区が停電したとか、夜間の電気供給が稼動再開まで打ち切られたとか、電力不足でエアコンが動かないとかいう話はきいたことがない。

これだけ見ると電気って実は余っているのであって、発電所の出す二酸化炭素なりなんなりを削減したいなら、ご家庭に節電を要請しなくても、発電所減らしたらいいんじゃないか?と、ワシは素人なので神をも恐れぬ暴論を言ってみる。

でもご家庭での節電推進する人はぜったい「発電所が環境に悪い」とは言わないんだよなあ。電気の無駄遣いが環境に悪いって言うだけで。

なるほど、こういう理解の仕方もあるのか。面白い。
さて、どういうふうに説明したら、わかってもらえるだろうか・・・。


まず、電力については、必要な分を、その都度、作っているのであって、たとえば、貯水槽に貯めてある水やボンベのガスを使っているのとは違うのです。
余っているかどうかという場合には、電気を作る「能力」について言うのです。


つぎに、停止している発電所があることについて。

すべての機械・設備は壊れます。壊れなくても、いろいろな不具合はあるものです。
そんな不具合が生じて停止した場合の、バックアップのための予備機が必要なのです。予備機は稼働する前は、当然ながら停止しています。
ここ2・3年前、原発絡みの不祥事で、原発稼働率が極端に低下し電力不足が心配されましたが、その時も、停電は起きませんでした。それは、休止していた古い火力発電所などを急遽稼働したりの対応を取ったからです。

発電所は、最も重要な公共インフラですし、原発が運転中に壊れたら被害は甚大です。ですから、壊れる前に点検をして、必要に応じて機械・設備を更新しなければなりません。点検は、人間が行いますから、その間、発電所は停止します。
さらに、これらの点検は、法律によって定められているのです。
つまり、法律によって、全ての発電所が同時に発電している状態は禁止されているのです。


もひとつ、昨日、水道の話をしたので、水道のアナロジーで説明してみます。

話を単純にするために、ダムから取水している水道に限ります。
ダムは雨水を貯めていますので、雨の少ないとダムの貯水量が減って、水不足になります。
この時、水道事業者は、節水を呼びかけます。けれど、この時点では、水が出ます。
さて、水は余っているのでしょうか?
水が出るからといって、けっして水が余っているわけではないのです。
水道水の元は、ダムにためてある水ですが、電気の場合、ダムに貯めてある水に相当するのが、発電所の発電能力と火発に供給する石油の備蓄です。


さて、この文章ですが、

これだけ見ると電気って実は余っているのであって、発電所の出す二酸化炭素なりなんなりを削減したいなら、ご家庭に節電を要請しなくても、発電所減らしたらいいんじゃないか?と、ワシは素人なので神をも恐れぬ暴論を言ってみる。

でもご家庭での節電推進する人はぜったい「発電所が環境に悪い」とは言わないんだよなあ。電気の無駄遣いが環境に悪いって言うだけで。

電気の部分を「水」に入れ換えてみたらわかりやすくなるかも。

これだけ見ると水って実は余っているのであって、上水場の出す二酸化炭素なりなんなりを削減したいなら、ご家庭に節水を要請しなくても、上水場減らしたらいいんじゃないか?と、ワシは素人なので神をも恐れぬ暴論を言ってみる。

でもご家庭での節水推進する人はぜったい「上水場が環境に悪い」とは言わないんだよなあ。水の無駄遣いが環境に悪いって言うだけで。


生存に不可欠な水を、断水させるなんて、暴挙ですよね。
電気も同じですよ。

時々、断水させたり停電させたりして、水や電気のありがたさを実感してもらうってのも悪くないけど。