水俣病 ある医師の記録

水俣病の真実―被害の実態を明らかにした藤野糺医師の記録

水俣病の真実―被害の実態を明らかにした藤野糺医師の記録

沈殿し沈黙している水俣病患者のサルベージと、水俣病の解明に全身全霊を掛けて挑んだ、藤野糺医師の活動の記録。
藤野医師の活動に照らされて浮かび上がってくるのは、国や県の「患者見殺し政策」に抵抗するのではなく、それを駆動し続けた医学者たちの腐敗した姿。


そして、石原慎太郎
彼は、環境庁長官に就任したとき『水俣病には公害が原因でない人も患者のなかにいる』と言ったのだった。
「ニセ患者」問題は、ニセ患者を排除するために、より広くより精緻な調査をしよう。より慎重な診察・診療をしよう。という方向には向かなかった。はじめから、本当の患者を切り捨てるために、ねつ造された「ニセ問題」だった。