民高官低

解決不能 裁判官には常識が通用しない

裁判所の「予見可能性」についての運用は非科学的で、官に甘く民に厳しい。
民には高い予見能力を求め、官には民よりも低い予見能力で免罪する。

読売新聞 MRI爆発事故、作業員2人逆転有罪

 木村裁判長は、2人が同社の手順書に反し、気化した液体ヘリウムの爆発を防ぐために排気口に取り付ける「破裂板」を外して作業したことが事故の原因と認定。「液体ヘリウムの性質について基礎的な知識は持っていたはずで爆発の予見が可能だったのは明らか」と、2人の過失責任を認めた。

つまり、プロたるもの、起こりうる可能性について、十分な準備をして事故を未然に予防しろと言っているわけです。
プロたるもの「知らなかった」では許されないよと言っているのです。
プロたるもの事故が起きたら言い訳すんなと言っているのです。

ここで、この「液体ヘリウムの爆発の防止」を「感染症の予防」に置き換えたらどうでしょうか?

感染症コレラやペストのように古典的な十分に知られたもの以外にも新しいものが次々と出現します。HIVSARSがそうです。そしてC型肝炎もそうです
感染症は血液を媒介にします。
ですから、新興感染症には常にアンテナの感度を良くし、情報の収集・更新を怠らず、輸血や血液製剤には細心の注意と配慮が必要です。感染症対策の基本中の基本です。
感染症の発生は防げないとしても、感染の拡大を防ぐ責任が厚労省にはあります。
厚労省には、そのための、人、金、権限が与えられています。
厚労省はそのためのプロ集団なのです。

にもかかわらず、厚労省の怠慢による不作為については、役人の言い訳をあっさり認めて「知らなかった」を許しまうのです。