ワイルドシルク
ウスタビガの繭。
色に寂しい雑木林に一際映えます。
中は空っぽで、この繭の主は秋に羽化してしまいます。
背景は、『日本産幼虫図鑑』のウスタビガの項。
枝から引きちぎってきたのですが、糸は非常に丈夫です。
このウスタビガは、ヤママユガの仲間です。
ヤママユガの繭からは上質な絹が取れるので天蚕と言われているのだけれど、このウスタビガの繭からも絹が取れるらしいです。
ウスタビガはヤママユガよりも数が少ないために、ヤママユガよりもずっと高価だとか。
かつて我が家では養蚕をやっておりまして、私が小さいときに止めてしまったのですが、ずいぶんと手間のかかる仕事だったことはよく覚えています。
お蚕様が一斉に桑を食べる時、音がするんですよ。ワシワシ・・・・・・って
私の世代が、養蚕をリアルで知っている最期の世代でしょうかね。
日本の養蚕は、風前の灯火なのですが、実は中国でも衰退しつつあるとか。
手間のかかる割には儲けが少ないですから、国全体の経済が発展すれば衰退してしまうんです。
虫のテクノロジーが消えてしまうのは、もったいないことだとは思いますが、なかなか難しいです。
あと、お蚕様は、たくさん桑を食べて、たくさんウンコするんですけど、そのウンコがとても良い肥料になったのでした。私、蚕のウンコで作った野菜、食ってたんですよ。