トリリンガル

水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。 - My Life Between Silicon Valley and Japan

エントリの内容とは関係ないけど、ちょっと思い出したので

aminさんのコンサートに行ったときのこと。
aminさんは中国人で、だから、当然、中国人の方もコンサートに来るんだけれど、それで、aminさんと中国人のファンの方との会話してる。で、何か、通じない言葉がある感じになって、次の瞬間に英語でやりとりしてる(と言っても単語だけのやりとりだけど)。

英語圏以外の国の人で、日本語を喋る人っては、トリリンガルでも不思議じゃないんだよね。
で、英語を極めるのも良いけど、英語が堪能な人はもうたくさんいるんだから、英語以外の国の言葉を勉強した方が面白いんじゃないかなと思う。


で、エントリにちょっと関係のある話。
シンプル衛生公衆衛生学 (2006)という公衆衛生のテキストを見ていたら「衛生」という言葉の由来が解説してあって、もともとは中国語らしい。明治の初め頃、岩倉遣欧使節団の一員として、ドイツやオランダの医学や衛生行政を視察した長与専斎が、西欧の衛生学を指すhygieneの訳語として、中国の古典の中から探し出したらしい。
こんな具合に、様々な分野で、西欧の言葉を翻訳する努力がされたわけだけど、結局の所、いかに漢語に納めるかという努力だったとも言える。
中国でも、その当時日本で創作された言葉を使っていて、一部では日本語の輸出という人もいるけれど、「衛生」と言う言葉に端的に示されているように、多くは、中国語からの借用だったりして、中国にとっては逆輸入になる。