投げ縄グモ

ヌルデの木の葉の裏をトリノフンダマシを探していたら偶然見つけた。
ムツトゲイセキグモだと思う。
これは、福島県の南部で撮影したもの。
投げ縄使いのクモは、日本にはムツトゴエイセキグモの他にマメイタイセキグモが生息して、新海栄一さんのフィールド図鑑『クモ (フィールド図鑑)』によれば、いずれも関東以南に生息すると記述されている。『原色日本クモ類図鑑 (保育社の原色図鑑)』では、本州とだけ記述されており関東以南とは限定されていない。
珍しいクモで滅多に見られないと思っていたので、こんな近くにいたのかと、ちょっと驚きだった。
ナゲナワグモが餌をとる様子は、子どもの頃にTVで見たきりで、この目で見たことはなかったが、運良くその様子を見ることができた。
写真撮影していると、ぶら下げている投げ縄*1をクルクルと回し始めた*2。すると、直後に1cmくらいの大きさの白いデルタ翼の蛾が通りかかった。残念なことに、蛾は、上手に投げ縄をかわして逃げていってしまった。蛾が飛んできてから投げ縄を振るのではなく、飛んでくる前から振っているので、羽音を感じているのかもしれない。
もう一度見られないかと思って、蛾が飛んでくるのを待っていたが、10分後くらいから雨が降り出してきたので観察をやめて家に帰った。
ヌルデの木の葉の裏に張り付いているムツトゲイセキグモ。

宙に浮いているところ。

糸の先の方に、粘着玉が二つ付いていて、これをクルクルと振り回す。

同じ個体のムツトゲイセキグモを翌日撮影。粘着玉が三つ付いている。

いずれも同じ場所の同じ個体。


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*1:*1糸の先端に粘着性の玉が付いていて「ハエ取り紙」を振り回していると言った方がイメージしやすいか

*2:*2横から見ると投げ縄の奇跡は、コーンを伏せたような円錐形になる