AS菌を培養しよう

子どもたちは夏休み。
夏休みと言えば、自由研究。
と言うことで、環境学習方面の、お勉強ネタを一つ。


有用微生物群を培養しましょう。
有用微生物群といってもEMではなくて、活性汚泥です。
英語では、activated sludgeと言いますので、EM菌に倣って、AS菌としましょう。


用意する物。

(1)水を入れる容器。
 何でも良いが、大きさ、1〜2リットル程度で、透明な物が、観察と管理がし易い。
 ビッグサイズのペットボトルや麦茶等を入れる透明な水筒が手頃だと思う。
 
(2)金魚用のエアポンプ(チューブ&エアストーン)。
 小型水槽用の小さいエアポンプで十分。
 
(3)菌の種
 AS菌は、自然環境中にごく普通に存在する菌を培養するので、特別に用意する必要はありません。
 田んぼや、溜め池や、雨上がりの水たまりの水で良い。
 金魚や熱帯魚を飼っているなら、ろ過装置のフィルターや底の砂利を洗った後の濁った水も良い。
 水は容器に8分目くらいまで入れます。
 
(4)菌の餌
 菌を増やすので、菌が食べる餌が必要です。
 特別な問は必要ありません。
 私は、牛乳と米のとぎ汁をブレンドした物を使いました。
 餌の量は、多すぎても少なすぎてもダメ。はじめは1cc〜数ccくらいからスタートします。

 
AS菌の培養開始。

水筒に田んぼから汲んできた水を入れ、エアポンプでブクブクします。

そこに、菌の餌(牛乳と米のとぎ汁)を2cc入れます。

菌の餌は、朝と晩の1日2回。1回につき2cc。(スポイトを使うと便利)

3日目くらいから、水の色が茶褐色に変化してきます。
6目になると、水の中をモヤモヤした物が漂っているのが観察される(これが活性汚泥)。
ブクブクを止めて、静止1時間ほど待つと、底の方にモヤモヤ(活性汚泥)が沈殿します。

底に沈んだ活性汚泥。


気温の高い今頃の季節は、だいたい1週間ほどで活性汚泥が形成されます。


この底に沈殿したモヤモヤを顕微鏡で観察するといろんな種類の微生物が観察できます。
ちなみに、顕微鏡で観察できる微生物は、活性汚泥の主役ではありません。活性汚泥の主役は、光学顕微鏡では見えない、種々雑多な細菌なのです。菌の種類だけで言えば、EM菌よりはるかに多いのです。

下水処理場や浄化槽の活性汚泥も、自然環境および人体由来の雑多な菌を培養したもので、この実験で出来た活性汚泥と同じです。


一端、活性汚泥が形成されたら、1日1回、エアポンプを止めて、静止させ、活性汚泥を沈殿させ、上水を3分の1から半分を捨て、減った分の新しい水(水道水よりも田んぼや溜め池の水が良い)と餌を入れます。しばらくすると活性汚泥が増えてきますので、増えてきたら、時々、増えた分の活性汚泥を捨てます。
これを繰り返すと、活性汚泥を長期間、維持することが出来ます。